投資、トレードにおける損切りの重要性とプロスペクト理論。
投資家K.U.Iこと近藤勇一です。
勝ち続けているトレーダー、資産を増やし続けている投資家の共通点。
対する負け続けているトレーダー、投資家の共通点。
このどちらが際立って分かり易いかと言えば、どちらかと言うと
「負け続けているトレーダー、投資家の共通点」
の方だと思います。
勝ち続けている投資家、トレーダーの勝ち方、手法、考え方、要因にはある程度の多様性がある傾向にありますが、負け続けている投資家、トレーダーは、その負け方、要因などがほぼ同じ傾向にあるからです。
そして、その中でも「確固たる共通点」として言えるのは
『然るべき局面で損切りが出来ない』
という点です。
もしくは『損切りが下手』というところですね。
ただ、この点は裏を返して言えば「勝ち続けているトレーダーや投資家」は、
『損切りを上手く制している』
と言えます。
それくらい『損切り』は、投資家、トレーダーの明暗を分けていると言ってもいいくらいの重要なものという事です。
よって、今日はこの『損切り』というものの重要性について、トレーダー、投資家、双方の観点でお話ししていきたいと思います。
損切りの重要性
まず利益を上げ続けているトレーダー、投資家は、基本的に『損切り』をする事を悩むようなことはありません。彼等は「含み益を確定(決済)する時」よりも、何の悩いもなく「機械的」に損切りを実行している傾向にあります。
要するに、利益を確定するポイントやルール以上に
『損切りを実行するポイントやルールを明確に定めている傾向』
にあるんです。
だからこそ『損切り』は、そのルールに沿う形で何ら迷う事なく実行できるわけですね。
そして、彼等はそれが投資、トレードにおいて長期的な視点で利益を伸ばしていく上で「最も重要な事」と捉えています。
対して、負け続けているような投資家やトレーダーは、まず間違いなく、その『損切り』のポイントやルールが定まっていません。
仮にそれらが定まっているとしても、そのルールに沿った損切りを実行できない、また、それを実行する度に頭を悩ませている傾向にあります。
※逆に過度に損切りを実行し過ぎて、小さな負け(損失)ばかりが募ってしまっているというケースもあるかもしれませんが、これはかなり少数派かと思います。
いずれにしても、結果として「負けている」という事は、やはり『損切り』を上手く行えていないはずであり、その多くは損切りの実行をためらってしまった結果、大きな損失を生んでしまっている傾向にあるんです。
つまり、投資、トレードの勝ち組と負け組は、稼ぐための思考や行動、利益を伸ばすための思考や行動の違いよりも、
「損失を留める事の思考や行動に大きな違いがある」
という事です。
言い方を変えるなら、勝てている投資家、トレーダーほど、自分が(一時的な)負けを認めなければならない時を知っているんです。
言わば「負け方を知っている」と言い変えてもいいと思いますが、勝てていないトレーダーほど、その「負けを認めるべき時」を分かっていません。
だからこそ、一度の負けが取り返しがつかないレベルの大きな負けになってしまい、結果として、損益のトータルベースでは「勝てない」わけです。
勝てている投資家、トレーダーほど「負け方」を知っている。
相場の世界には「絶対」はありませんし、絶対が無い以上、そこに「必勝法」はありません。故に、どんな投資家もトレーダーも負ける時は負けているはずであり、負けを完璧に避けて投資やトレードを行っていく事はできないんです。
だからこそ、長期的に投資、トレードで利益を上げていくには、
「負けをいかに回避し、最小限に留めるか」
が重要になってきます。
その「負け(損失)」を必要最低限、且つ、必要最小限にするための基準やルールを徹底的に追及し、確立しておく必要があるという事です。
実際に大多数の「負けているトレーダー」は、それなりのトレード歴を有していれば、一時的には勝てていた時や、勝つ事が出来たトレードというのも間違いなく幾度と経験していますが、それ以上の大きな負けを喫しているからこそ、トータルベースでは勝てていません。
ですが、もし、その「負け分」を全て、無いものにするか、それを最小限に留める事が出来ていたなら、その「負け組」のトレーダーのほぼ全てが、トータルベースで「勝てていた事」になるはずです。
つまり、勝ち方、利益の上げ方を追求するよりも「負け方」を追求し、可能な限り、負けを最低限、最小限にする事ができれば、それで実際に「勝てるトレーダー」になる事ができるんです。
まさに『損切り』における明確かつ有効な判断基準、ルールこそが、
「勝てているトレーダーと負けているトレーダーの明暗を分けている」
という事です。
損切りとプロスペクト理論
また、明確な損切りの基準、ルールを定めていない投資家、トレーダーの多くは、ほぼ例外なく「損得勘定」を前提とするような心理や感情で損切りの判断を下しています。厳密に言えば、そのような心理や感情に流されてしまうが故に『損切り』を行えないまま、ズルズルと損失(含み損)を伸ばしてしまい、最終的に取り返しのつかない大きな損失を生んでしまっているんです。
というのも、人間心理の傾向として、多くの人は。
・手にした利益を守るための行動
・損失を避けるための行動
などを無意識的に選んでいく『プロスペクト理論(損失回避の法則)』に基づく行動を取ると言われています。
故に、損得勘定などによって心理的な判断を下そうとする場合は、高い確率で、この理論に沿った判断を下してしまうんです。
つまり、投資やトレードの際においては、いざ「含み益」が出ている時は、その含み益が消えてしまうリスクを恐れて、いち早く「利益確定」の行動に出てしまう反面、いざ「含み損」が出ている時は、
「その含み損をなかなか確定(損切り)できない」
という状況(心理状態)になってしまうという事です。
投資においてもトレードにおいても、相場というものの特性上、相場の動きに対して生じていくものは、一応は仮の「含み益」や「含み損」であり、それは更な相場の動きによって減っていく可能性も増えていく可能性もあります。
そこに『プロスペクト理論(損失回避の法則)』が作用してしまうがために、大多数の人は利益確定を急いでしまい、その逆に
「損切りの実行が遅くなってしまう傾向」
にあるわけです。
だからこそ、そこに「基準」や「ルール」をしっかりと定めるべきは、何よりも『損切りの基準やルール』であり、その必要性、重要性が最も高いのは、やはりこれに尽きる、というのが私の考えです。
損得勘定等の心理的な判断で最も、それが「裏目」に出てしまう可能性が高いのは、この『損切り』の判断に他ならないからですね。
ただ、一般的に多くの投資家、トレーダーは、
・エントリーポイントを定める基準(いつ、どこでエントリーするか)
・利益を伸ばすためのルール(そこからどこまで利益を伸ばせるか)
などを判断するための基準やルールばかりを追求している傾向にあります。
もちろん、これらのルールを追求する事も大切です。
ですが、エントリールールは究極的に言って、どこでエントリーを開始しても、そこからの単純な値動きの確率だけを言えばどんなに「適当なルール」でも50%の勝率を堅持できます。
また、利益を伸ばすルールも、いざ利益が伸び始めたのであれば、それを可能な限り
伸ばせる」に越した事はありませんが、このルールはむしろ
「欲張りすぎてその全てが消えてしまう」
という状況を避けられるなら、それで「負ける」という事は、まず避けられるものに他なりません。
要するに、エントリーのルールや利益確定のルールは、ある意味で言えば感情や心理に流される形でそれを実行していっても、それが致命的な状況を生んでしまうものではないという事です。
ただ「損切り」の基準やルールは、やはり、このルールだけでも長期的な損益、勝ち負けをそのまま左右すると言っても過言ではありません。
そして、これだけが感情や心理に流される事が「最悪の事態」を招くものでもあるため、やはり、その必要性、重要性は最も高いものだと思います。
故に、自らのトレードルールを確立していく際は、何よりもまず、その「負け方」を追求するようにしてください。
『いかに「負け」を最小限、最低限に留めるか。』
そのために「損切り」の基準やルールこそを徹底的に追及する必要があり、長期的に勝ち続けている投資家、トレーダーほど、そこに明確な基準とルールを敷き、いざその時に迷う事なく「損切り」を実行しているものだという事です。
そこを徹底しておくだけでも、相場の世界で「負けが確定してしまう確率」(=資金の大半を失って退場させられる可能性)は各段に下げられるはずです。
結局のところ、相場の世界では
「その最悪の状況をいかに避ける事ができるか」
が最も重要ですからね。
「稼ぐ事」よりも「(大きく)損をしない事」の方が重要。
これが歴代の著名な投資家、トレーダーのほぼ全員が口を揃えて言っている事ですから、この事だけはしっかりと肝に銘じるべきだと思います。
それを前提とする基準やルールを定め、そこには決して感情を持ち込まず、むしろ機械的に従っていくべきだという事です。
他のブログ講座と併せて、是非、参考にしていただければと思います。
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