企業価値分析に伴うバリュー株、グロース株への投資について

 
株式投資には「バリュー株」「グロース株」と呼ばれるものがあります。

バリュー株は、企業価値に対して割安な株価となっている銘柄の株を意味し、グロース株は、企業価値の将来的な成長(上昇)を期待できる銘柄の株を意味するのが一般的です。

このようなバリュー株、グロース株への投資を「バリュー投資」「グロース投資」と言うのですが、このような「バリュー(割安銘柄)」「グロース(成長銘柄)」という考え方は『株式投資特有のもの』と言えます。

私自身、今は為替相場、仮想通貨(主にビットコイン)を対象とする証拠金取引(FX)なども並行して行っていますが、株式投資以外のもので、

「バリュー(割安銘柄)」
「グロース(成長銘柄)」


という考え方を聞く事はありませんし、私自身もそのような視点で、為替、仮想通貨などを捉える事もありません。

これは株式投資における「株価」のみが、その対象となる銘柄の「企業価値」の分析によって、その「価値(適正価格)」を算出できるからです。

もちろん、為替相場、仮想通貨、不動産なども、現在の相場が割安なのか、割高なのか、や、その将来的な価値を「予測」はしますが、それらの在るべき「価格」を具体的に算出するような事は基本的にできません。

そこが「株式投資」と「為替相場」「仮想通貨」の相場などを対象とするFXなどの、決定的な違いにあたるわけです。

株式投資にのみ成り立つバリュー投資とグロース投資。

故に私は「株式投資」においてのみ、このような「バリュー」「グロース」という考え方を前提とする『企業価値の分析』を行い、それを重要な「投資判断」の指針としています。

この『企業価値の分析』は、いわゆる「ファンダメンタルズ分析」にあたりますが、株式投資のみが、このような「ファンダメンタルズ分析」に該当する「企業価値の分析」によって、その銘柄の「価値」や「適正価格」を、言わば「逆算」できるわけです。

少なくとも一般的な「株式投資」の対象となるような市場に株式を上場させているような企業であれば、その資産状況、負債の有無などが全てオープンになっています。

最もシンプルなその「企業価値」の考え方は、

純資産(預金、不動産、保有株式など)- 負債(借入など)= 資産価値

このような計算の上で算出できる金額が、その企業の実質的な「価値」をフラットに算出した金額にあたります。

これに対して、その企業の「現在価値」にあたるものは、いわゆる『時価総額』と呼ばれるもので、

総発行株数 × 1株あたりの株価 = 時価総額(その企業の現在価値)

このような計算によって算出できる金額は、理論上、その企業をまるごと買い取れる(買収できる)金額にあたります。

仮に、現在の株価でその企業が発行している株を全て買い占める事ができれば、その「時価総額」にあたる金額で、その企業をまるごと「自分のものにできる」という事です。

その上で、先立つ計算式に基づく『資産価値』と、その企業の現在価値にあたる『時価総額』において、

時価総額 < 資産価値

であれば、その銘柄の株(株価)は「割安」という事になります。

つまり『資産価値』こそが、その時点における、その企業の「適正価格」に他ならないため、その「適正価格」よりも『時価総額』および『1株あたりの株価』が安価であるほど、その企業の株は「お買い得」であり、まさに『バリュー株』に該当するわけです。

対して『資産価値』と、その企業の現在価値にあたる『時価総額』が、

資産価値 < 時価総額

このようになっている銘柄の株が「割高なのか」と言えば、これは必ずしもそうとは言い切れません。

そこでもう1つの「成長性」という考え方に基づく「グロース株」および「グロース投資」という考え方が浮上していくわけです。

企業の「成長」が株価の「上昇」に反映されていく。

これもまた、株式投資においてのみ成立する考え方として、先ほど言及した「企業価値」は「預金」などの現金資産も含めるため、そのような「現金資産」は、単純な話、その企業が儲けを出せば出すほど増えていく事になります。

つまり、好調な業績で「利益」を生み出していく会社は、出ていくお金以上に入ってくるお金が大きいため、事業を継続していけば継続していくほど、現金資産や、それを元にした資産(土地、不動産、保有株式など)も増えていくわけです。

当然、それらは全て、

純資産(預金、不動産、保有株式など)- 負債(借入など)= 資産価値

この計算式に基づく「企業価値」に上乗せされていく事になるため、この計算式に基づく企業価値が上昇していけば、必然的に「株価」や「時価総額」も上昇していきます。

だからこそ、儲かっていく企業の株価は「上昇」していくわけです。

よって「企業価値」と「時価総額」を算出した時点の結果が、

資産価値 < 時価総額

このようになっていても、その企業の今後の業績や成長性が期待できる場合は、その時点の「バリュー(割安)」を度外視して投資を行っても、十分にそれ以上のリターンを狙える事になります。

そのような成長性を見込める銘柄が「グロース株」に該当し、そのような「成長性」についても、どのような市場で、どれくらいのシェアを占め、どれくらいの売上や利益を継続できているのか。

また、その売上や利益を今後、どれくらい安定して継続、または向上させられる余地があるのか。

このような概算を出し、あとは、その業績が1年、2年、3年・・・と継続していったと仮定した場合に「上乗せ」されていく資産価値を算定すれば、その企業の将来的な企業価値もある程度は算出していく事ができます。

その上で、株式投資において、最も「おいしい銘柄」は、

時価総額 < 資産価値

このような「バリュー株」でありながら、更に今後の成長性も見込めるような「グロース株」でもあるような銘柄が最も理想的と言えます。

そして、それらの判断は「資産価値」や「業績」などから具体的な数字を「逆算」する事が可能なため、株式投資においては、このような「企業価値」や「将来性」のファンダメンタル分析が、極めて「有効」な判断基準になるわけです。

株式投資における「株価」は、その価値と将来性を「逆算」できる。

このような「価値」や「適正価格」の逆算は、株式投資における「株」のみが行えるもので、少なくとも「為替相場」や「仮想通貨の相場」における、

・特定の法定通貨の価値やその適性価格や将来性
・特定の仮想通貨の価値やその適正価格や将来性


これらを「計算」によって求める事は、ほぼ不可能に近い事だと思います。

例えば、為替相場の「現在レート」や、その「変動」は異なる2つの法定通貨のレート差の変動によって動いているため、特定の法定通貨に対する、それとは異なる法定通貨の「価値」や「適正価格」および、その「将来的な価値」など、どう算出するべきかも分からないのが実情だと思います。

また、その「発行元」が国家であり、また、その国家が発行している「法定通貨の価値」は、企業が発行している「株の価値(株価)」ほど、その価値の算定基準が明確なものでもないわけです。

同じくビットコインなどの仮想通貨も、実質的な「価値」や「適正価格」などは無いに等しく、結局のところ、仮想通貨の現在レートは、売り手側と買い手側のバランス(需要と供給)のみによって決定付けられているに等しいと思います。

つまり、為替相場における法定通貨やビットコインなどの仮想通貨は、株式相場における「株価」のように、その価値や適性価格、将来性などを「逆算」する事がほぼ不可能なため、株式投資のような『バリュー(割安)』『グロース(成長性)』という考え方自体が、そこに「成立しようがない」という事です。

***

故に私は、為替相場や仮想通貨(ビットコイン)の相場を対象とするFX(トレード)においては、基本的に「ファンダメンタルズ分析」で、その現在価値や将来性を分析するような事はほぼしていません。

ただ、為替相場や仮想通貨の相場は、ファンダメンタルズ分析による価値や将来性の分析を的確に行えないからこそ、その値動きの拠り所が、ほぼ需要と供給のバランスや、その偏りのみに左右されていく傾向にあります。

まさに「チャート」から読み取れるような売り買いの偏りが、そのまま、実際の値動きの動向を決定付けていく傾向にあるため、いわゆる「テクニカル分析」が極めて有効となるわけです。

対して、ファンダメンタルズ分析によって価値や将来性を逆算できてしまう「株式相場」においては、最終的な値動きの動向は、ほぼ、そのファンダメンタルズに左右される傾向にあります。

その範疇の中で、

・過剰に買われ過ぎた株
・過剰に売られ過ぎた株


などの動向を予測していくような場合には、時に「テクニカル分析」が有効になるケースもありますが、大筋の値動きの動向は、やはりファンダメンタルズ分析に基づく結果がモノを言います。

つまり、企業価値や、その将来性などのファンダメンタルズ分析の優位性は株式相場が圧倒的に高く、その反面、テクニカル分析は、かなり限定的な場面でしか通用しません。

現に「投資の神様」と言われるウォーレン・バフェットも、

「株式投資では10年間、株式市場がクローズして売り買いが出来なくなっても喜んで保有できる株だけを買いなさい。」

このような言葉を残すと共に、実際にウォーレン・バフェットは10年以上の株式保有を普通に行っています。

つまり、株式投資における「レート(チャート)」は、いざ投資を行う時点での「バリュー(割安)」は気にするべきですが、その時点のレートに十分な「バリュー」と長期的な「成長性」を見込んで「買う」のであれば、そこからのチャート分析など「無用」という事であり、世界一と呼ばれる投資家が、現に、それを有言実行しているわけです。

対して、為替相場や仮想通貨の相場は、ファンダメンタルズによる価値や将来性の分析がほぼ不可能に近いため、実質的な値動きはほぼ、値動きの動向によって生じる需要と供給に偏りから生じるため、そこを分析していく「テクニカル分析」が高い有効性を発揮します。

このような傾向から、株式投資において、しきりに「テクニカル分析」に頼るような売買を行っても、おそらく勝てない事の方が多いはずですし、為替相場や仮想通貨の相場を対象とするFXで、下手にファンダメンタルズを意識しても、あまり意味がありません。

各相場の「攻略」において、その相場に適した分析基準に重きを置いて適切な「相場分析」や「投資判断」を行っていく必要があるという事です。

以下、今回のテーマに関連する記事が幾つかありますので、こちらも併せて参考にして頂ければと思います。

投機と投資の違い。投資家を目指すのか、トレーダーを目指すのか。


ファンダメンタルズとテクニカルはどっちの分析が有効なのか



以上、株式投資における企業価値の分析と、それに伴うバリュー株、グロース株への投資について、でした。

是非、参考にしてください。

あなたにとって「必要な情報」を存分に学んで帰ってください。

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2012年2月
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保有資産3000万円を突破
2013年1月
保有資産4000万円を突破
目標年間利回り+100%を達成
2013年4月
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2013年12月
保有資産6000万円を突破
年間利回り+50%と達成
2014年5月
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2014年11月
保有資産8000万円を突破
単月収支+500万円を達成
2015年2月
保有資産9000万円を突破
2015年5月
保有資産1憶円を突破
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