FX自動売買システム「神龍」のバックテスト検証とその信憑性

 
投資家K.U.Iこと近藤勇一です。

こちらのFXの自動売買ツール(EA)について、その検証パフォーマンス(バックテスト結果)から、その有効性の真偽を言及していきたいと思います。

FX自動売買システム「神龍」

販売URL:http://infinity111.net/ea/shenron1/

・販売業者:株式会社グローバルイノベーション、若林よしたか
・所在地 :大阪府大阪市西区新町1丁目14-21-1815
・連絡先 :080-4767-0622


***

この『FX自動売買システム神龍』ですが、やはり「情報商材」として売り出されている自動売買のEAとしてはお決まりのパターンで「トレードロジックはシークレット」となっています。

これは購入者に対しても同じで、購入前の段階はもとより、実際に購入した後も、この自動売買EAが、どういった基準やどういったルールで実際にトレード(売買)を行っていくのかは全くわかりません。

よって、この『FX自動売買システム神龍』を実際に購入して「運用」に使う場合は、そういったものが何も分からないまま、ただ漠然と、この自動売買EAを「信頼」して運用を任せるしかないという事です。

まあ、その時点で私としては「無し」なのですが、そうなってくると、この『FX自動売買システム神龍』の良し悪しを「運用前」の時点で判断できる基準は、

・バックテストの結果
・実際の相場を対象とする運用実績


これらの「過去の相場」や「実際の相場」に対しての『実績』という事になるのですが、この『FX自動売買システム神龍』の販売ページに公開されているこれらの情報は、

・約1年間のみのバックテストの結果(2020.01.06~2021.02.27)
・約7カ月間の運用実績(2020.09~2021.3)


と、どちらも、そこまで「長期間」と言えるほどの実績は公開されていません。

実際の「運用実績」は、自動売買EAの完成に至ったのが2020年9月という事なので、これはこの記事を書いている2021年4月時点までの7カ月分の実績という事になります。

こちらについては物理的にこれ以上の実績は出しようがないという事になるのですが、この手の自動売買EAで、バックテストの結果が1年分しか公開されていないというのは、かなり「微妙」と言わざるを得ません。

バックテストの検証データとしては「少な過ぎる(短期間過ぎる)」という事です。

少なくとも、この「FX自動売買システム神龍」の販売ページに公開されている、以下のバックテストのデータは「MT4」によるテストデータですから、実際には5年分でも10年分でも簡単にテストデータを出す事ができます。



ですが、実際の販売ページに公開されているバックテストのテストデータは、

「2020.01.06~2021.02.27」

上記のようなたった1年分のデータのみとなっていますので、これは「テストをしていない」のではなく、

「それ以上、過去のバックテストデータは意図的に公開していない」

と考えるのが「妥当」だと思います。

要するに、これ以上前の期間を対象とするバックテストのデータは、あまり良いパフォーマンスになっていないのでしょうね。

故に、バックテストのデータは1年分しか公開できない(公開したくない)のだと思います。

それこそ、この「FX自動売買システム神龍」が、もともと情報商材として売り出す事を前提に開発した自動売買EAなのであれば、過去1年間の値動きに対して「ただ帳尻を合わせただけのロジック」という可能性もゼロではありません。

当然、この「FX自動売買システム神龍」のロジックが、そのようなものなら、今後、この自動売買EAが長期的に稼げるものである可能性は限りなく低いと言わざるを得ません。

この時点で、この「FX自動売買システム神龍」は、ロジックが不透明という点も含めて「微妙」としか言いようがないのですが、それでも、実際の相場を対象にしたとされる、

「2020年9月から2021年3月までの運用実績で利回り99.4%」

この実績が「本物」なのか、という点で、この運用実績の「信憑性」についても、一応、考察しておきます。

FX自動売買システム「神龍」の運用実績の信憑性

この「FX自動売買システム神龍」の販売ページの方に公開されている運用実績(パフォーマンス)については「取引履歴の一部」も以下のような画像で公開されています。



こちらを見て分かる通り、この手の情報商材で公開されている取引画像にありがちな「取引時間」や「取引レート」などへのモザイク加工が無いため、それらの情報も全てオープンになっています。

そういう意味では、そのようなものがモザイクだらけの取引画像よりも信憑性はあるように思えるかもしれません。

ですが、このような「取引履歴」は、エントリーからクローズまでを終えたトレードの履歴のみが表示されているため、その時点で「保有中」のポジションの状況や、そのようなポジションに生じている「含み損」などは分からないのが実情です。

少なくとも、この「FX自動売買システム神龍」の販売ページでは、トレードルールや損切りのロジックなども全く言及されていませんので、収支以上の大きな含み損を抱えているポジションを保有し続けている可能性があります。

要するに、クローズしたポジションによる損益は常に「プラス」になるように、

・損益がプラスになったポジションは解消する
・損益が大きくマイナスになっているポジションは解消しない


このようなロジックで「表面的な収支」だけをプラスにしながら、損益合計がマイナスになってしまうレベルの含み損を抱えたポジションは、そのまま保持し続けている可能性があるわけです。

ただ、このような自動売買EAを「情報商材」として販売していく上では、クローズしたポジションによる「損益」のみを表面的に公開していけば、あたかも「勝てている(稼げている)自動売買EA」であるように装う事ができます。

ですが、そのようなロジックで実際に資金を運用していけば、いつかは必ず含み損が許容範囲を超えて資金がショートします。

そのような表面的な損益をプラスに見せかけるためだけのロジックが組み込まれた、実用性がゼロに等しい自動売買EAが「情報商材」として販売されているケースが現実にあります。

この「FX自動売買システム神龍」がそのようなものである可能性も「否定はできない」という事です。

対象通貨ペアは、なぜ「GBP/CAD」のみなのか。

また、この「FX自動売買システム神龍」の自動売買の対象となっている通貨ペアは「GBP/CAD」(ポンド / カナダドル)のみとなっているようで、あまりメジャーとは言えない通貨ペアかと思います。

この「GBP/CAD」の通貨ペアのみを対象としている理由は販売ページの方に、

『この通貨ペアが最も成績が良かったから』

と書かれているのですが、これはある意味「この通貨ペアでなければ通用しなかった」という意味にも受け取れます。

私としては「GBP/CAD」の通貨ペアのみに見られる特有の値動きのようなものや、この通貨ペアのみに通用するロジック(テクニカル分析)があるとは思えないため、バックテストデータの対象期間が非常に短い点も含めて、

「GBP/CADの通貨ペアにおいてのみただここ1~2年の成績が良かっただけ」

という可能性も決して否定できません。

むしろ「その可能性が非常に高い」と言わざるを得ませんので、この「FX自動売買システム神龍」は、

・トレードロジックが完全にブラックボックス
 ⇒ どのような基準で売買を行っていくのかも全く分からない。

・損切りのロジックも不明なため運用実績の信憑性も薄い
 ⇒ 多額の含み損を抱えたポジションを保有し続けている可能性あり?

・バックテストの公開データがわずか1年分のみ
 ⇒ 短期間の値動きに帳尻を合わせただけのロジックである可能性あり?

・特定している通貨ペアがあまりにマイナー
 ⇒ たまたま成績が良かった通貨ペアの実績のみを公開しているに過ぎない?

といった点で、あまりに懸念材料が多過ぎるため、購入代金もそうですが、このような自動売買EAに資金の運用を任せる事自体に「リスクが高過ぎる」と思ったのが率直なところです。

尚、この手の自動売買ツールが本物かどうかの判断方法や、その基準などについては、以下のような記事でも詳しく言及しています。

こちらも是非、併せて参考にしてください。

FXなどのトレードツール、EAが本当に稼げるかどうかを判断する基準
自動売買ツールなどの「バックテストの結果」がアテにならない理由

以上、FX自動売買システム「神龍」のバックテスト結果や運用実績などについての考察でした。

あなたにとって「必要な情報」を存分に学んで帰ってください。

以下に、このブログの「目次」にあたるコンテンツ一覧のページをご用意していますので、こちらから「あなたにとって必要な情報(価値がありそうな情報)」を是非、存分に収集して頂ければと思います。

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資産運用実績

2012年2月
資金2000万円で資産運用開始
2012年9月
保有資産3000万円を突破
2013年1月
保有資産4000万円を突破
目標年間利回り+100%を達成
2013年4月
保有資産5000万円を突破
2013年12月
保有資産6000万円を突破
年間利回り+50%と達成
2014年5月
保有資産7000万円を突破
2014年11月
保有資産8000万円を突破
単月収支+500万円を達成
2015年2月
保有資産9000万円を突破
2015年5月
保有資産1憶円を突破
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